美味しいものを食べる

なぜ美味しいものを食べると、ストレスが解消されるのか?

日頃からストレスがたまりやすい方の中には、食べ物でそれを解消するケースがあるかもしれません。実際に美味しいと感じる食品を口に含むことによって、ストレスの解消に役立つことが理論的にも判明しています。

まず人はストレスで脳に疲れを感じると交感神経が優位になって、攻撃的な精神状態になります。それはイライラやモヤモヤした気分になったり、肩や腰あるいは頭部に痛みを感じるなど、身体の様々な部位に症状として現れることもよくあります。この精神状態は通常よりも多くのエネルギーを必要とするため、身体が糖分や脂質を求めるようになるのです。

この糖分や脂質は脳にとっても重要なエネルギー源ですが、同時に脳内にエンドルフィンという物質を放出します。実はこれこそが、甘いお菓子や高カロリーの肉などを食べて、ストレスを解消したくなる正体。エンドルフィンには不安感や緊張感などを和らげ、幸福感をもたらす効果があるからです。

それでもやっぱり食べすぎには注意が必要!

前述の通り、ストレスの解消には美味しい食べ物が一定の効果を発揮しますが、それでもやはり食べすぎには注意しなければなりません。なぜなら日常的に食べ物でストレス解消を繰り返していると、報酬系と呼ばれる神経回路を刺激し続けることになり、たとえ満腹になってもそれを抑制する脳の働きを弱めてしまうからです。こうなるともっと食べて癒やされたいという気持ちばかりが高まり、結果的には身体の様々な部位に深刻なダメージを及ぼすようになります。

例えば甘いお菓子ばかり大量かつ継続して食べれば、やがて糖尿病のような慢性疾患を抱えるかもしれません。あるいは脂質の高い肉類を頻繁に食べていると、心臓や脳の循環器系に深刻な病気をもたらすこともあり得ます。このようなリスクを避けたいなら、甘い食べ物は午後3時だけ、脂質の多い肉類は週に2回までというように、自分に厳しいルールを課して、食習慣の見直しを図るべきでしょう。